「むかブロ?」140日連続更新企画
自作小説を連載しています
温かい目で読んでください
第一章まとめ読みはこちら
~~~~~~~~~~~~~~~
心菜
「分かったの?」
「行こうか」
「どこに?」
光輔はタッチの方を向く。
「家庭科室に」
どうやら光輔は正解の確認をタッチにしているらしい。タッチは悔しそうな表情をする。光輔はちゃんと正解しているみたいだ。
「なんで家庭科室なの?」
家庭科室に移動しながら、私は光輔に聞く。
「四つの単語を対義語にするの。『確定』なら『仮定』、『除湿』なら『加湿』みたいに」
つまり『大』は『小』、『冬季』なら『夏期』になるのか。
「そんで、順番に並べると『仮定』『加湿』『小』『夏期』。かていかしつしょうかき」
家庭科室に着くと、光輔はキョロキョロ何かを探す。
「あった」
家庭科室にあった消火器。そこには小さな袋が付いていた。
「家庭科室の消火器が正解ってわけ。でしょ、タッチ?」
「お見事」
光輔はドヤ顔で袋を渡してきた。中身はいつも通り飴玉だった。
「それなあに?」
渚さんが聞いてくる。
私は咄嗟に紙を隠した。
「あれ?見ちゃいけないものだった?」
私は黙る。今隠したのは暗号だったから。
暗号部でタッチからもらった暗号は全てとってある。中学校卒業のとき、捨てようか迷ったが、どうしても捨てられなかった。私にとって唯一の中学校の思い出かもしれない。
「ごめんね」
渚さんはどうやら見てはいけないものを見たと思って、無かったことにしようとしている。別に……別に見られてもいいか。
私は「確定 除湿 大 冬季」と書かれた紙を背中から出す。
「え、いいの?」
私はうなずく。
「何これ?」
渚さんは眺める。
「あのね……」
私は何から話そうか、何を嘘をつかず話そうか、考えながら話はじめた。
つづく
~~~~~~~~~~~~~~~
【「明日何しようかな」あらすじ】
大阪にあるド田舎な村「百白(ひゃくしろ)村」
学年は全体で三人しかおらず光輔、景子、心菜は腐れ縁の仲だった
二○一○年三月、三人は卒業式前日にタイムカプセルを埋める
卒業式当日
景子の姉である莉子の失踪事件が起こる
光輔らが不審な車を目撃していたことなど手がかりはあるものの、結局莉子は見つからず
事件の混乱で卒業式は中止が決定
タイムカプセルを埋めたときを最後に光輔、景子、心菜は離れ離れとなってしまう
【登場人物】
・福山光輔(ふくやま・こうすけ)
男性。百白中学校出身。頼りがいのあるしっかりもの。
・佐々木景子(ささき・けいこ)
女性。百白中学校出身。さばさばした性格。
・泉心菜(いずみ・ここな)
女性。百白中学校出身。寂しがりやの甘えん坊。
・佐々木莉子(ささき・りこ)
女性。景子の姉。2010年3月に失踪する。
・上杉史也(うえすぎ・ふみや)
男性。百白中学校の先生。通称「タッチ」
・益川正義(ますかわ・せいぎ)
男性。莉子失踪事件を担当する刑事。
・早見徹(はやみ・とおる)
男性。元天才美容整形外科医。現在はラーメン屋を営む。
・片寄渚(かたよせ・なぎさ)
女性。心菜の味方をする。
・長谷川すみれ(はせがわ・すみれ)
女性。東京の小さなアトリエで絵を描いている
【むかいくんを応援したい!感想を送りたい!という方へ】
・一番嬉しい最上級に喜ぶやり方
Twitterで「#むかブロ」をつけて感想を投稿する
ややこしくて申し訳ないのですが、正式には「むか」はひらがなで「ブロ」はカタカナです
#明日何しようかな もつけてもらえると大変喜びます
このブログへのリンクが貼ってあるツイートを引用リツイートしてもらえると感無量です
・ちょっと嬉しいやり方
Twitterでリプライを送っていただく(@mukatsubu)
誰かに見られたくなければ、DMでもかまいません
DMは誰でも送れるように開放しています
現在閲覧しているはてなブログ「むかブロ?」はコメント欄を封鎖する予定です(気づくのが遅くなると思うので)
なので、たまに更新しているアメーバブログ「むかブロ!」にコメントいただけると嬉しいです
仲の知れたあなたならLINEでもかまいません
・恥ずかしいけど感想を送りたい人のやり方
質問箱に感想を投稿してください
https://peing.net/ja/mukatsubu
「質問箱」は本来は匿名で質問を送ることの出来るツールです
が、僕は一方通行のメッセージを送るツールとしても使っています
これを使えば、どんなメッセージでも完全に匿名で送ることが出来ます
むかいに認識されたくない、だけど感想は送りつけたい
そんなあなたは質問箱に投稿してください
ただし返信は出来ません(誰か分からないので)
特に断りがない限り「これは向井だけに送りたい感想だな」と思ったらTwitterやブログで公開するのは控えます
匿名だけどみんなに見られてもいい、むしろみんなにもこの感想を読んでもらいたいという方は
その旨を質問箱に書いてください
Twitterなどで共有します