「むかブロ？」140日連続更新企画
自作小説を連載しています
温かい目で読んでください
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景子
朝七時。本当だったら起きて学校へ行く支度をする時間。でも今日は違った。
昨日から全く寝ていない。だけど全く眠たくない。不思議だ。
お姉ちゃんがいなくなった。
「おかしい」となったのは昨日の夜、二十一時。佐々木家の門限がこの時間だ。
そのときはお母さんは怒っていた。時間通りに帰ってこないうえに連絡の一つもない娘に。
お母さんが電話をしたりメールをしたりしても繋がらない。はじめはちょっと心配だったが大したことはないだろうと思っていた。
二十二時。さすがに何かおかしいと思い始める。お母さんは高校やお姉ちゃんがいそうな場所に片っ端から連絡していた。それでも、普段通り高校の授業を受けていたこと以外は何も分からない。お父さんも帰ってきたので、家族三人で家の周りを探した。
このとき、何か親には言いにくいことがあるんじゃないかと思った私はこっそりお姉ちゃんにメールをした。
『何かあったの？電話しようか？』
その返事は未だに無い。そのしばらくあとに電話もしたが、電源が入っていなかった。
結局、日付が回るくらいまで捜索したがお姉ちゃんは見つからず家族三人で帰宅。
お姉ちゃんの部屋を改めてくまなく探したが、置き手紙や何か手がかりになるようなものはなかった。携帯電話がどこにもないことも分かった。
そのあとはお母さんは近所の家を回って、お姉ちゃんの姿を見ていないか聞いて回っていた。夜中に明かりのついている家に頭を下げて聞いて回っていたみたいだ。
お父さんは懐中電灯を持って捜索を続けた。
私は「家にいなさい」と言われたから家にいた。特に何かすることは出来なかった。眠れるわけなかったし、かといって出来ることもない。たまにお姉ちゃんに電話をして、繋がらないのを確認した。ずっとソワソワしていた。
午前三時目前。もう一度家族三人が家に揃い、お父さんが警察に電話をすることを決めた。
夜中にも関わらず警察の人はすぐに来てくれた。パトカーが一台家の前に止まり、中から三人男の人が出てきた。一人はそれなりに歳を取ったベテランな感じがする刑事さん。あとの二人はもう少し若かった。
家にあがるとすぐさま事情聴取を受けた。担当してくれるのは益川さんって刑事さんだった。さっき見たベテランな雰囲気の刑事さんだ。
どうしていいか分からない私たちにゆっくり話しかけてくれる、優しい刑事さんだった。
私たち家族三人は話せることを全部話した。と言っても、私は茫然としていて聞かれたことにしか答えられなかった。
覚えているのは「昨日何をしていたか」を聞かれたこと。私は思い出せる限り詳しく昨日の行動を話した。光輔や心菜と一緒にいたことも。光輔や心菜についても聞かれたので話した。これから取り調べするのに必要な情報らしい。
光輔たちと一緒に過ごしていたことを話している間、あまり母親の顔を見ることは出来なかった。母親は光輔や心菜のことがあまり好きではない。明確に口にするわけではないが、なんとなく嫌っているのが分かる。たぶん私の勉強を邪魔している友人とでも思っているのだろう。さすがにこの状況で何か言われることはなかったが両親の顔はあまり見ることが出来なかった。
お姉ちゃんに関することや家族全員の昨日の行動を一通り話し終えたあと、益川さんはこれからについてゆっくり説明してくれた。
とりあえず「捜索願」を届けることになった。益川さんいわく現時点では何も分からないが誘拐の可能性もあると言われた。
つづく
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【「明日何しようかな」あらすじ】
大阪にあるド田舎な村「百白（ひゃくしろ）村」
学年は全体で三人しかおらず光輔、景子、心菜は腐れ縁の仲だった
二○一○年三月
中学卒業を間近に控えた三人は記念にタイムカプセルを埋めようと企画する……
【登場人物】
・福山光輔（ふくやま・こうすけ）
男性
百白中学校三年生
・佐々木景子（ささき・けいこ）
女性
百白中学校三年生
・泉心菜（いずみ・ここな）
女性
百白中学校三年生
・佐々木莉子（ささき・りこ）
景子の姉
・上杉史也（うえすぎ・ふみや）
男性
百白中学校の先生。通称「タッチ」
・益川正義（ますかわ・せいぎ）
男性
刑事
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#明日何しようかな もつけてもらえると大変喜びます
このブログへのリンクが貼ってあるツイートを引用リツイートしてもらえると感無量です
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