「むかブロ?」140日連続更新企画
自作小説を連載しています
温かい目で読んでください
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心菜
……緊張した。
景子と光輔には絶対に見つかってはいけなかった。二人の目はかいくぐれたらしい。
いけないことをしてしまった。だから他の人にも見つかっちゃいけなかった。それもなんとかクリアした。
「ふう……」
私はベッドの上で紙袋を抱く。これがあれば……
「光輔は明後日この村を出るの。明日は卒業式。告るんなら、今日か明日。はい、どうする?」
景子の言葉が脳で繰り返される。
今日はもう終わった。まだ三時間くらいあるけど、もう光輔には会えない。
メール?いや、メールで告白は嫌がる人も多いって聞いたことある。
私は究極の二択を迫られた。
明日告白するか。しないか。
そのことで頭がいっぱいになる。
明日になれば、みんなは離れ離れになる。
光輔との思い出はいっぱいある。
中二の夏のこと。
「はいこれ」
私はいつも放課後は教室に残っていた。光輔は毎日部活。景子はたまに一緒に残ってくれるけど、だいたい塾があった。私だけ何もしてなかった。だから一人で教室で自習したりしていた。と言っても、ほとんど勉強なんてしてなかったけど。
ある日のこと。そんな教室でひとりぼっちの私にタッチがなにやら紙を渡してきた。
「何これ」
「宝探ししよ」
四つ折りの紙を開くと、そこにはタッチが直筆で書いた文字があった。
「どういう意味?」
「それは泉が考えるんだよ」
どうやら暗号らしい。
結局、私はそれからしばらくの間その暗号とにらめっこした。
「ち、う、う、け、た、え、さ」
何度も何度も口にする。でも分からない。
そんな私を見てタッチはずっとニヤニヤしていた。
「なんで笑ってんの?」
「いや、こんなに夢中になってくれるとは思ってなくて」
たしかに時計を見たら想像以上に時間が過ぎていた。私はこんなに長い間考えていたのか。
「タッチじゃん」
しばらく経っただろうか。私たち二人のもとへ光輔が来る。
「光輔、何しに来たの?」
「え?荷物取りに来たんだよ」
「もうそんな時間!?」
気づけば日も暮れ始めていて、部活動も終わっていた。この中学校には部室がないので、光輔は教室に荷物を置いて部活動に行く。
「心菜こそ何してんの?」
「これ」
私は暗号を光輔に見せる。
つづく
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【「明日何しようかな」あらすじ】
大阪にあるド田舎な村「百白(ひゃくしろ)村」
学年は全体で三人しかおらず光輔、景子、心菜は腐れ縁の仲だった
二○一○年三月
中学卒業を間近に控えた三人は記念にタイムカプセルを埋めようと企画する……
【登場人物】
・福山光輔(ふくやま・こうすけ)
男性
百白中学校三年生
・佐々木景子(ささき・けいこ)
女性
百白中学校三年生
・泉心菜(いずみ・ここな)
女性
百白中学校三年生
・上杉史也(うえすぎ・ふみや)
男性
百白中学校の先生。通称「タッチ」
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